「おかえり、ブルゴーニュへ」と「葡萄畑に帰ろう」2019年01月15日

 今年、1本目の映画を観た。「葡萄畑に帰ろう」(岩波ホール、各地で上映中)。昨年末、フランス映画の「おかえり、ブルゴーニュへ」という作品を観た。同じ葡萄畑、ワインが映画の前面に打ち出されているが、全くテーマが異なっている。
「おかえり、ブルゴーニュへ」は、葡萄畑とワインづくりを軸に兄弟姉妹、家族が格闘するドラマ。葡萄畑、ワインがすべての場面に絡む。一方「葡萄畑に帰ろう」は、ジョージア映画(旧グルジア)葡萄畑はなかなか出てこない。政治家として活躍する主人公が失脚、住んでいる家も立ち退きを迫られ、やがて逃亡者。隠れ潜んだのが故郷の友人の家のワイン貯蔵瓶。なぜか地位をかたどる「椅子」がいろいろなことを行うファンタジーじみたところもある。最終的に母の暮らす故郷の家に帰ってくるという話。ここが葡萄畑なのだ。
前者がワイン造りに奮闘する兄弟妹を描くのに対して後者は、政治をパロディー化して生き残るすべは、故郷として観るのが面白い。

頑張る朝日新聞その22019年01月10日

頑張る朝日新聞
 新年早々、こんな記事ばかり載せるから「朝日新聞は、半日 ちがった(反日)といわれるゆえんでしょうか。
 1月6日、日曜版別冊 The Asahi Shimbun GLOBEの特集は、「王室2019」世界各国の王室の現状をリポート。当然、日本の天皇制についても「憲法と伝統と」というタイトルでまあ、それなりのことを書いている。これは、別に反日でもなんでもない。ところが、原武史氏(放送大学教授・日本政治思想史)のインタビュー記事は、「これが朝日新聞の真骨頂!」といいわせるものでした。これだから(反日)と言われる所以だ。
「天皇制の構造は変わっていない」と題するインタビューは、明治から昭和初期にかけて天皇のもとに臣民がいて「君民一体」空間、国体を作ってきた。平成天皇が退位の「おことば」を発するや、それが絶対となる。ということは本来おかしい。として、皇太子と雅子妃は、自然や水に親しみ、国家を超えた環境問題などグローバルなことに関心があるように見える。天皇がおしのびになって登山をするのも面白い。しきたりを変えるのかもしれない期待感を抱いている。
 まあ、こんなことを言っている。世界の趨勢から見ると王室は開かれ民主的になっている。日本もそうなっていくのかな。

朝日新聞が頑張っている2019年01月10日

 新年早々、朝日新聞は突っ走っているように感じます。やはり、天皇交代、元号改新にあるのでしょうか。
 1月7日の新聞見開き公告にまず度肝を抜かれました。もっともこれは、宝島社が広告主で朝日新聞は、クライアントに媒体としての新聞を提供しただけですが。この広告、朝日だけでなく、読売、毎日にも掲載されました。読売は、「嘘つきは、敵だ」朝日新聞は、「嘘つきは戦争の始まり」という見出し。リードは、ポーランド侵攻、トンキン湾事件そしてイラク戦争も原油にまみれたウミウから始まったと書いている。
 で、驚くなかれ、朝日新聞のすごいところは、これだけでは終わらない。翌8日のオピニオン&フォーラムというページに新春インタビューとして「民主主義 生かすために」と題してアメリカの政治学者ダニエル・ジブラット教授から聞き取る。「選挙で民意得た後 自由脅かす指導者・・・・」とトランプ米大統領の施政について語る。教授は、『民主主義の死に方』の著者。
続く10日は、同じコーナーで「戦争なき世界への道」と題し、法哲学者スコット・シャピーロと国際法学者オーナ・ハサウェイ(二人ともイエール大学教授)に現代秩序の原点は、90年前の不戦条約(パリ)にあり、その礎は一市民の思いと語らせ、日本の憲法9条はそれだけで独立しているのではなく、唐突にマッカーサーが思いついて特殊な条文が日本の憲法に付け加えられた、というわけでない。歴史的な背景と思想的な系譜がありそれは、不戦条約以降に形作られ現代世界に息づく平和に関する法体系のとても重要な部分を構成していると説明する。

今日は一日パンのことを考えた2019年01月08日

明日の分も買ってきた。袋に入っているやつ。
 お家の至近にパン屋さんがある幸せ。しかも手作りパン屋さん。歩いて1分。毎朝出来立てのパンを食べて と思うのですが、それができません。開店時間は、朝10時から。フランスのパン屋さんなんて朝6時からやっているぞ。と思うのですが、そうはいかないようです。未明2時過ぎから働いて開店はやっと10時に間に合うとか。パン屋さんて大変だ。
 だからなかなか食べることができない。近くにあっても買いに行けない。
誠に残念。
 パン・ド・カンパーニュ とても美味しい。大好きだ。
お店の名前は、 「あい あい」 なんて可愛らしい。

 自分が休みの時は、出来立てパンを味わう。たまらない。

ベーコン屋さんはこんな感じ2019年01月08日

 ベーコンは美味しい。大好きだ。
 でも、この3年、ベーコンを食していない。医者に止められている。
 本当に残念だ。
 ベーコンが食べた。美味しいベーコンが食べたい。

街の食生活が変わってきたのかな2019年01月08日

食パン屋さんの正面
都市郊外の小さな駅前なのにおしゃれなパン屋さんが開店した。その数か月前には、向かいにやはりおしゃれなベーコン専門店(?)が開店している。ベーコン専門点なんて大都会のおしゃれな住宅街に隣接する商店街ならいざ知らず、なんでこんな町に。なんて思っていたら、パン屋さんは、なんと食パン専門店、食パンしか売っていない。
 どうやら世間では、食パンが流行っているらしい。ご飯を食べる人が減って食パンがブーム???
 私は、近所(50m)ほどに若夫婦がやっている小さなパン屋さんがあって、そこで作っている「パン・ド・カンパーニュ」258円を月に2,3回、買ってきていただいてます。美味しいですよ。

カチンの森 ロマンチックでない話2019年01月06日

カチンの森
 カチンの森は、今も解決しないまま続いている。
 カチンの森について初めて知ったのは、藤村信が「パリ通信」(1970年代から80年代にかけ岩波書店『世界』に不定期連載)のどこかで書いたことによる。
 1939年ナチスドイツのポーランド侵攻によって始まった第二次世界大戦。ポーランドは、ナチスドイツとソ連邦によって分割され国家を失った。ポーランド市民たちは、分割したそれぞれの国によって捕虜となり、収容所に送られた。1040年4月から5月にかけてソ連内務人民委員部(通称秘密警察)は、2万5000人のポーランド市民を銃殺した。陸軍将校、知識人、幹部公務員などのポーランドの指導者階級であった。この事件は、すぐにナチスドイツの進攻により発覚、ナチスは、ソ連の仕業と公表するが、ソ連は、ナチスドイツの仕業と喧伝。連合国側であったソ連に同調し、イギリス、アメリカは、この事実を隠蔽、ナチスの仕業とした。スターリンの指示による銃殺であったことが明らかであるにもかかわらず、連合軍は、蓋をした。戦後、ソ連圏に組み込まれたポーランドでは、ソ連を追求することもできず、冷戦終結を迎えた。しかし、ペレストロイカ、グラスノスチを推進し、冷戦終結を行ったゴルバチョフも隠蔽を図った。理由は、共産党の最高指導者(スターリン)が指示したことが明るみに出てはならないという意識に固まっていたためだ。
 教訓 国家は市民を守らない。
著者ヴィクトル・ザスラフスイはレニングラード生まれのロシア人、1975年にソ連を出て、アメリカ、イタリアで政治社会学の教鞭をとる。本書は、イタリア語で書かれた本の翻訳である。

 訳者あとがきが充実し、とても分かりやすく分析されている。あとがきだけでも読む価値はある。


『カチンの森  ポーランド指導階級の抹殺』
 ヴィクトル・ザスラフスキー著 根岸隆夫訳 みずず書房刊 2010年

ルーベンスってすごい! なにが?2019年01月05日

そうそう、ムンク展と一緒に国立西洋美術館で開催されている「ルーベンス展」も観てきました。せっかく、上野に行くのですから、次いでといっては怒られてしまいますが、ついでに入りました。 ご存知、ルーベンスは、バロックの神様、いやバロック時代に神様の絵画をたくさん描いたことで知られています。当時画家は、貴族、王族、教会にやとわれた職人世界。なぜ、ルーベンスの名前が知られているかといえば、ルーベンス以前とルーベンス以降とでは、絵画の作風が全く違う。それほどルーベンスは、のちの画家に影響を与えた人といわれています。
 肖像画も、教会絵画も風景画もみんなルーベンスの影響を受けていた。確かにヨーロッパの各都市の美術館に行くとルーベンス張りの絵画ばかりが目につきます。
 ルーベンスってすごいんだ。という印象は与えてくれる美術展でした。

1月20日まで 上野公園 国立西洋美術館にて開催。