アウシュビッツはなかったという嘘 ― 2017年07月10日

 歴史の歪曲か今はやりのフェイクニュースなのか、「アウシュビッツはなかった」という嘘がまたまたまかり通っているようです。アメリカの大統領の登場によるものか、それとも、日本の総理大臣の有り得ない強権に力を得てきたのか。
いわく、「アウシュビッツの施設を見学してきたが、あの規模ではせいぜい100万を虐殺するのがやっと。600万人なんて嘘。」「そもそもドイツに600万人ものユダヤ人はいなかった」などなど。具体的な数字をあげ、その非合理性を表に出し論拠を展開しています。
 これは、日本ならずドイツ、ヨーロッパ各国でまことしやかに語られ始めています。
いわゆるネット上に氾濫するフェイクニュースの類であり、これらを何の検証もなく受け入れる人々が増えてきた、といえるのでしょうか。
 第二次世界大戦終結70年、冷戦終結30年を経て、封印されていた様々な資料に日が当たり、多くの研究が進んできました。その研究の成果で最もおおきな成果(ホロコースト関連)は、アメリカ・イェール大学ティモシー・D・スナイダー教授による「ブラッド・ランド」ではないでしょうか。 ナチスドイツによるホロコーストを具体的にここまで明らかにものは、やはり冷戦終結の成果といえるでしょう。
 ジェノサイトあるいはホロコーストの犠牲になったユダヤ人の90%以上は、ドイツに住んでいたユダヤ人ではなかった。虐殺行為は、ナチスドイツのチェコ侵攻(併合)そしてポーランド侵攻から本格化したと述べられています。つまり、ドイツの侵攻とソ連の侵攻で国家を失った国民は、国家に寄るすべを失い、やりたい放題の残虐行為を受け始めました。国家を失うことの悲劇は、現在でも起こっています。
 どのような方法でホロコーストは始まったのでしょうか。ナチスドイツの突撃隊とでもいうか、アイン・ザック・グルッペンは、手あたり次第ポーランドのユダヤ人を虐殺しました。はじめは、銃で、その後排ガス室、毒ガスとエスカレート。
 1942年1月、「ユダヤ人問題の最終的解決」を決定したヴィンゼー会議が開かれています。
「ブラッド・ランド」それに続く「ブラック・アース」は、1930年代から1945年までの間に中部・東ヨーロッパで何が起こっていたかを克明に描き出しています。
 新しく開示された資料を基づいて歴史を掘り起こす作業に、「感服」です。