再び『暴政』について語る2017年07月27日

一週間ほど離れていたら、閉会中国会審議のニュースで溢れていました。聞こえる言葉の端々が、『暴政』の著者ティモシー・スナイダーの警鐘に重なって頭の中をめぐってきます。スナイダーは、昨年のアメリカ大統領選挙とその結果に対して、重大な訴えかけをしています。端的に言えば、アメリカの歴史始まって以来の「全体主義の到来」とでもいうか、それにどのように抗していくかを説明しているのです。
さて振り返って我が国の状況はとみれば、○○一強といわれている状況が多少揺らいでいますが、ほぼ一党支配に違いは無いかと思います。そんな中、私たちが何を考え、行動することが必要かについて丁寧に歴史を振り返りながら語ってくれています。
 たとえば、「9 自分の言葉を大切にしよう」言葉の重要さと言葉の意味を捉えるのに必要な能力を養う読書を行えという。本を読むことによって思考する言葉が生まれる。ではどんな本を読めというのか。章の扉の言葉に「言い回しをほかのみんなと同じようにするのはやめましょう。誰もが言っていることだと思うことを伝えるためだけとしても、自分なりの語り口を考え出すことです。努めてインターネットからー中略― 。読書をすることです。」(『暴政』より)と記されています。
 どんな本を読むのか。レイ・ブラドベリ『華氏451度』、ジョージ・オーウエル『1984年』を引き合いに出し、その主人公たちは本を積み上げることはできなかったが、私たちにはまだできると述べています。
『暴政』ティモシー・スナイダー著 池田年穂訳 慶應義塾大学出版会刊 ¥1200
p144 文庫本サイズ
ぜひ、ぜひ一読いただきたい本です。

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