赤い大公 ハプスブルグ家と東欧の20世紀2019年01月04日

赤い大公ハプスブルグ家と東欧の20世紀

 21世紀になって20年が過ぎようとしている。100年前の今頃、何が起こっていたのだろうか。19席末から20世紀初頭にかけて、バルカン半島をはじめ、ロシア革命への序章、中央ヨーロッパにおける大きな変革の動き、この時期まだ700年続いたハプスブルグ王朝は健在であった。中央ヨーロッパにおける支配地域での民族問題を乗り越えつつ、ハプスブルグ家は、さらに長く続くものと王家の人々は考えていた。「赤い大公」は、この時代のハプスブルグ家の一員で、ウクライナにハプスブルグ王国を築こうとしたヴィルヘルム・フォン・ハプスブルグの物語だ。歴史家ティモシー・スナイダーが描いたハプスブルグの物語、ヨーロッパのもう一つの歴史を読み解くことができる。
 ヴィルヘルムの「敵の敵は味方」の発想でナチス・ドイツに近づき、ポーランド分割でウクライナが果たした役割、戦後、ウイーンで反ソ活動がもとでソ連秘密警察に拉致されモスクワで処刑されるまでのいきさつ。中央ヨーロッパ、東ヨーロッパの20世紀の激動が鮮明に描かれている、

『赤い大公 ハプスブルグ家と東欧の20世紀』ティモシー・スナイダー著 
                 池田年穂訳 慶応義塾大学出版会刊  ¥4600

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