BARBARA バルバラを観る2018年12月31日

 2018年の締めくくりは、映画「バルバラ」についての感想を書こう。
 12月の初めころ、映画「バルバラ」を観た。どうしても見たかったわけでもなく、気にかけていたわけでもない。それでもわざわざ東京・渋谷の映画館まで出向いた。ほかの観客は、シャンソンファンであったり、歌手クミコのファンであったり、身なりのしっかりしたご婦人方が多くいた。場所が東急BUNKAMURAであったためだろうか。
 私が初めてバルバラに触れたのは、ジャズ喫茶全盛の時代、モダンジャズの鳴り響く合間に息抜きなのか、バルバラが流れ出す。ジャズ喫茶の薄暗い空間をさらにどっしりと湿り気のある空気を流し込む。いつしかジャズよりもバルバラのほうに心が流れて行ってしまった。気の利いた小さなサテンにレコードを持ち込み、ほかに客がいなくなったころを見計らい、ウオッカをストレートで仰いで聞いていた。
 バルバラは1930年、ウクライナ系ユダヤ人を母にパリで生まれた。そして97年この世を去る。日本では何度か来日公演を開いたが、私は聞きに行くほどの度胸はなかった。映画は、このバルバラの生涯を描く・・・・・ ではなかった。
 バルバラを描こうとする映画監督とバルバラに扮する女優を描く「映画」とでもいうのか、
 バルバラになり切ろうとする映画上の女優は、バルバラを真似る。さらにその女優を演じる女優バリバール(BALIBAR)はバルバラになり切ろうとする。映画には本物のバルバラの映像も挟み込まれる。バルバラは演じるものに憑依する。どれがだれだかわからない。映画監督(映画上の)すら本物のバルバラだと信じ込む。
 映画そのものがバルバラの世界観の中に引き込まれてしまった。

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